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汚れの種類について

注意したい!プロでも難しい汚れやシミ事例

一見簡単そうに見えても、実は処理が難しい汚れやシミというのがあります。
このページでは条件や相性が悪く(確実に品物をダメにしてしまう為)処置が出来なかったり、処置をしてもシミが少し残ってしまったりなど、プロであっても更に高度な技術が必要だったり、完治が難しい事例を紹介します。
医者であっても治せない病気や怪我があるように、クリーニングのプロでも難しい事例があります。あらかじめ知識として知っておき、予防しておきましょう。

植物による色素

衣類を染める染料は、大きく分けて2種類あり「天然染料」と「合成染料」があります。現在販売されている衣服のほとんどが「合成染料」を使用していますが、今回注意したいのが「天然染料」です。
「天然染料」には「動物染料」「植物染料」「鉱物染料」の3種類がありますが、馴染みがあるのは「植物染料」だと思われます。
植物染料は、藍染めの藍や、植物の根から取り出したウコン、花の花弁から取り出したベニバナなどが挙げられます。ところで、生活する中で意図せず衣服に植物染料が付着してしまうケースがあります。それが花粉です。

花粉のシミ

例えば冠婚葬祭の時やお祝いの席などで見かける「お花」にある「花粉」が衣服に付いてしまった時は要注意です。
花粉の表面は、それぞれの植物に特有な形状の硬い殻で覆われており花粉を乾燥から保護し、受精のために花粉がめしべまで安全に運ばれる上で重要な役割を果たしています。そして、その硬い殻の外側を脂質やタンパク質が混じり合った粘着性の物質が覆っています。
花粉というのは、その粘着性により少しかすっただけでも付着しやすいですが、その時に手で払おうとしたり、水に濡らして落とそうとすることは絶対にやってはいけないNG行動だと覚えておきましょう。
花粉のシミそのものは、付着してそのままの状態であればキチンとした技術や手順をもってすれば落とすことは出来ますが、ついついやってしまいがちなNG行動が、シミ抜きを難くしてしまうのです。手で払おうとすると花粉は広がってしまいシミは広範囲になってしまいます。また、水に濡らすと色素が繊維に定着してしまい、シミが抜き難くなります。
花粉以外においても、シミというのは基本的に何もせずに早めにクリーニング店に持って行くのが賢明です。

プリンタの染料インク

家庭用プリンタで使用するカートリッジインクには2種類あり「顔料インク」と「染料インク」というのがあります。そこで、注意したいのが「染料インク」です。
「顔料インク」は色の付いた細かな粒子状の物体を樹脂(接着剤)の力を借りて紙の表面に付着させ、色をプリントします。一方、「染料インク」は紙に染料を染み込ませて、色をプリントします。
「染料インク」はメカニズムとして衣料品の染色と同様であり、紙でなく衣服に付着すれば繊維に染み込んでしまい、乾いてしまうとシミを抜くのは非常に難しくなってしまいます。
例えばプリンタのカートリッジ交換の際に、誤ってインクを衣服やカーペットに垂らしてしまった...なんてことはありませんか?是非注意してください。

混合物のにおい

においというのは、様々な要因によって発生しますが、生活する中で発生するにおいは主に次の4つに分けることが出来ます。

・細菌の繁殖によるにおい
・人工物からのにおい
・調理や加熱によるにおい
・存在自体からのにおい

そこで、衣生活で発生するにおいとしてあてはまるのが「細菌の繁殖によるにおい」と「人工物からのにおい」です。「細菌の繁殖によるにおい」というのは、衣類に付着した(残った)雑菌が湿気によって繁殖したり、皮膚に付着した汗が垢や皮脂と混ざり菌を繁殖させることで発生させる臭いです。一方「人工物からのにおい」というのは、その代表格として「香水」が挙げられます。

香水
香水というのは様々な種類の合成香料や精油をブレンドして作られており、身体や衣服をめがけて噴霧し香水を付着させたうえ、時間の経過とともに体温等で揮発させることで香りを発します。
しかし、香水を過度に衣服に付着させるとシミとなり繊維に浸透し洗濯してもなかなか落とし切れない場合があります。
そこで、クリーニング店のプロによる「シミ抜き」で落とすという方法もありますが、香水の個性的な香りを作る「ブレンド」つまり混合物であることが非常にシミ抜きを難しくしてしまいます。
シミ抜きというのは、成分を科学的に一つ一つ丁寧に剥がしていく作業とも言い替えられます。しかし、香水のもととなる香料は様々な匂い物質を混ぜて作られており、その原料をひとつひとつ剥がして匂い成分を無くていく作業は困難を極めます。

相性の悪い組み合わせ

シミ抜きというのは、時にシミの成分と付着している生地の相性が悪い為、シミ抜き処理が出来ない場合があります。例えば、シミを落とすことが出来ても、シミ抜きに使用する薬品で生地を溶かしてしまうという事例です。具体的には次のようなケースが考えられます。

・アセテート商品×油性インク(マニキュア等)
・合成皮革×油性インク(マニキュア等)
・顔料染料を使用した箇所×油汚れ

単純に言ってしまえば、石油を用いた物質に対して油性成分の多いインクや汚れが組み合わさると、除去の難易度が一気に上がります。油性成分を落とす溶剤が、石油原料による物質を溶かしてしまうからです。

まとめ

以上のように、プロでも落とすのが難しい汚れやシミが存在しますが、次のように予防策を覚えておくことや意識することで、最悪の事態を防ぐことが出来ます。是非注意しておきましょう!

・花粉が付着したら触らない!
・花粉が付着したら濡らさない!
・プリンタのインク交換の際には、インクを漏らさないように注意する!
・香水は衣服にシミを作らないよう注意して使う!
・アセテート素材の服を着たり近くに置きながらマニキュアを塗らない!
・合成皮革の服を着たり近くに置きながらマニキュアを塗らない!
・Tシャツなどにデザインされた顔料染めの箇所に、油汚れをつけないよう注意する!

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