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注意!汗と紫外線による変色について

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濃い色のスーツのズボンやポロシャツTシャツなどが、一部分だけほんのり変色してきたことはありませんか?これは、汗と紫外線の影響による、変色の中でも多くの方が経験する定番事例です。クリーニング後に変色が判明する場合も多く、誤解によりトラブルになり易い事例の一つでもあります。
夏の時期、特に汗をよくかく機会が多く、紫外線も他の季節より強力です。ここでは、汗と紫外線による変色について解説します。

この変色事例は、汗と紫外線という2つの要素による影響を衣服が受けたことによって変化する事例である為、「汗について」と「紫外線について」をそれぞれ解説した後、「汗と紫外線がどのように影響し合うのか?」を解説します。

汗と衣服の関係についての基本事項

汗の量は個人差がありますが、人間は汗をかくことで体温調節を行う生き物ですので、一見汗をかいていないように見えても必ず汗をかいています。
そして肌に触れる衣服やスラックスなどのズボンは、汗が衣服に直接付着し易く、汗による影響を受けやすい状態と言えます。

また、汗が衣服に付きやすい場所として下記の部位が挙げられます。

上半身で汗による影響を受けやすい部位

・首のうしろ
・背中上部分
・脇(わき)下
・腕
・肩

下半身で汗による影響を受けやすい部位

・ポケット口
・大腿(太もも)部前側
・膝(ひざ)後側

参考アイテム別チェックポイント

汗により衣服の一部が変色する理由

汗は体温調節や精神的な緊張によってかきます。成分は個人差がありますが、98%以上が水分で、塩化ナトリウム、尿素のほか、尿酸、乳酸、アミノ酸などの有機酸や、アンモニア、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど実に様々な成分を含んでいます。
そしてこれらの成分の一部が、衣服で使用された染料を分解してしまい、変色という形になって表れます。
また、変色の仕方も全体の色が変わるのではなく、部分的に変わるのが大きな特徴です。

エネルギーとしての「紫外線」の影響を知る

暮らしの中で、○○線という用語を聞く機会は多く、例えばテレビのリモコンや最近では携帯電話の機能として端末同士で無線による通信が出来る「赤外線」はかなり馴染みのある線ではないでしょうか。
しかし、この○○線とはそもそも何なのかはご存知でしょうか?

光の仲間
ここで採り上げる線とは光線を意味し、赤外線や紫外線や、放射線の一種であるエックス線などは同じ光の仲間です。
そして光の仲間は、別名「電磁波」と言われ、「波長」という特徴によってそのものの持つエネルギーの力の具合が分かります。それは、波長が長いほどエネルギーは低く、短いほどエネルギーが高いという特徴を持っています。
では、「赤外線」や「紫外線」や「エックス線」などの波長とエネルギーは、どのような関係性を持っているのでしょうか?放射線と電磁波のエネルギーにおける相関関係を図にまとめてみました。

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図を見ても分かるように、「紫外線」はどちらかといえば高いエネルギーを持っています。高いエネルギーを持つということは、影響力や働きが高いということです。では、実際どのような影響力や働きがあるのでしょうか?具体的に事例を見てみましょう。

紫外線の働き

紫外線の働きは、我々の生活にメリットをもたらす部分とデメリットをもたらす部分に分けられます。

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紫外線により衣服の一部が変色する理由

ではいよいよ、衣服と紫外線の関係について解説しますが、科学的に実は紫外線による色の変化が起きるメカニズムは完全には解明されていません。
先人達はこれまで色を染めた布に対する紫外線の影響を見る実験を行いましたが、同じ条件で行っても各々が別の結果をもたらすなど、非常に不思議な問題事例として語られています。
しかし、そのような中でも様々な仮説があり、ここではその一部を紹介します。

上の図のデメリットの「成分を分解」という項目に注目して下さい。
窓際に近い家具が購入時より色あせたり、古本屋などで外に置いてある本の表紙が色あせたりしている様子を見たりしたことはありませんか?
結論から言うと、衣服が紫外線により変色するメカニズムは、日光に当たって色あせた家具や、日光に当たって色あせた本の表紙と同様のメカニズムと考えられます。
具体的には、使われている色を表現する染料分子が紫外線という強いエネルギーの影響を受けて分解されてしまい、変色という作用が起きてしまうことがあります。

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逆に、衣服でも日光(紫外線)のあたらない部分を見ると、紫外線による変色は生じません。

注意!汗と紫外線による複合変色

これまで、あえて「汗」と「紫外線」の変色を分けて解説してきました。
「汗」単独でも「紫外線」単独でも変色しますが、「汗」と「紫外線」が複合して変色するというのは、一体どういうことなのでしょうか?

まず、「汗」には、前記のとおり染料を分解させる成分が含まれています。そしてこの成分は、「紫外線」に対する染色堅牢度を低下させる働きももっているのです。この為、汗が付着した状態で「紫外線」を受けると普通では考えられないような著しい変色が発生します。これが、「汗」と「紫外線」による複合変色の原因です。

染色堅牢度(せんしょくけんろうど)って?


「染色堅牢度」とは、染料によって染められた生地が紫外線や水などに対する色落ちや変色の強さのことで、9段階の等級によって分かれています。ちなみに、この「染色堅牢度」というのはJISという規格により数値化されている為、アパレル品を製造するメーカーなどはしっかり試験を行い、一定以上耐えられる生地を作ることが本来求められています。

変色の防止対策

このタイプの変色は、吸湿性に優れていることから夏物衣料に好んで使用される綿や麻などの繊維の衣料品に多く発生しています。

そこで何よりも、衣服に付いた「汗」を蓄積付着させないように、こまめな洗濯やクリーニングを行うことです。最近では、デリケートな衣服が販売されており、夏物衣料でもドライクリーニング対象品が増えています。これらも同様に、早めのクリーニングがお薦めです。
そして、可能な限り日光を避けるようにして着用することがお薦めです。

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